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年上男性に「かわいい」と言うとき – その微妙な心理と受け取られ方

年上の男性に「かわいい」と言ったことがありますか? または言われたことはありますか? その瞬間、空気が少し凍りついたり、逆に距離が縮まったりした経験はないでしょうか。

私は長年、様々な職場で人間関係を観察してきましたが、この「かわいい」という言葉の持つ不思議なパワーには、いつも驚かされます。同じ言葉でも、人によって、状況によって、まるで別の言語のように異なる意味を持つのです。

今日は、この「かわいい」という言葉が年上男性の心にどう響くのか、その複雑な心理と絡み合う人間関係について、私自身の経験や周囲の事例を交えながら掘り下げていきたいと思います。

目次

「かわいい」の多層的な意味

まず考えたいのは、「かわいい」という言葉が持つ多層的な意味です。辞書的には「愛らしい」「小さくて美しい」といった意味がありますが、日常会話の中では、もっと幅広い意味合いで使われていますよね。

子どもや動物に対して使う「純粋な愛らしさ」を表す「かわいい」。 恋人や好きな人に対して使う「愛おしさ」を含んだ「かわいい」。 友人の思わぬ一面を見たときに使う「意外性」を表現する「かわいい」。 相手の頑張りを認める「応援」の気持ちを込めた「かわいい」。

同じ「かわいい」でも、これだけの意味の違いがあるのです。

先日、友人との会話でこんなことがありました。

「昨日、部長がプレゼンで緊張して言葉に詰まっちゃってさ。いつもは威厳があるのに、なんだかかわいかったよ」

これを聞いたとき、私は思わず「その『かわいい』って、どんな意味?」と尋ねてしまいました。すると彼女は少し考え込んで、「うーん、普段見せない一面を見た驚きと、頑張っている姿に対する応援と、ちょっとした親近感かな」と答えてくれました。

このように、「かわいい」という一言の中には、実に多くの感情が詰まっているのです。だからこそ、受け取る側も複雑な反応を示すのかもしれません。

「かわいい」が心地よく響くとき

年上男性が「かわいい」と言われて喜ぶケース。これは意外と多いのです。

私の前の職場には、50代の中村さんという上司がいました。いつもスーツをビシッと着こなし、会議では鋭い意見を述べる頼もしい存在でした。しかし、社内の飲み会になると少し酔っぱらうと、まるで別人のように話し好きになり、冗談を言っては自分で笑う、そんな一面を見せることがありました。

ある日の飲み会で、中村さんがいつものように盛り上がっていたとき、私は思わず「中村さん、お酒が入るとすごくかわいいですね」と口にしました。一瞬、周囲が「え?」という表情になり、私も「まずかったかな」と後悔したその時、中村さんは満面の笑みで「そうかぁ?俺、かわいいか?」と嬉しそうに返してくれたのです。

その後、中村さんと私の距離は確実に縮まりました。彼は私に対してより親しみを持って接してくれるようになり、仕事上の相談にも気軽に乗ってくれるようになったのです。

この経験から、私は「かわいい」が肯定的に受け取られるケースについて、いくつかの共通点を見出しました。

まず、相手が自分自身に対して「肩の力を抜いた姿」を受け入れている場合です。常に完璧でなければならないというプレッシャーから解放されたい、そんな気持ちを持っている人は、「かわいい」という評価が新鮮に感じられるようです。

次に、あなたとの関係性が既に構築されている場合です。信頼関係があれば、多少冒険的な言葉選びも許容されやすくなります。中村さんの例では、日頃から誠実に仕事に取り組む私の姿勢が、「かわいい」という言葉を言っても大丈夫な関係性を作っていたのだと思います。

そして、「かわいい」と言われるタイミングやシチュエーションも重要です。リラックスした雰囲気の中で、相手が自然体でいるときに言われると、素直に受け取れる傾向があります。

別の例では、私の友人が勤める会社の40代の田中部長は、普段は厳格な人ですが、実は猫好きで、社員の誰かが猫の写真を見せると途端に表情が緩むことで有名でした。ある日、田中部長が自分の飼い猫の写真を見せながら嬉しそうにしている姿を見て、若手社員が「部長、猫の話するときすごくかわいいです」と言ったところ、田中部長は照れながらも「そうか?まあ、猫には目がないからな」と笑顔で応じたそうです。

これらの例からわかるのは、「かわいい」が肯定的に受け取られるのは、その言葉が相手の新たな一面を認め、受け入れているというメッセージとして伝わったときではないでしょうか。「あなたはいつも強くなくていい」「あなたの多面性を私は見ています」というメッセージが込められていると感じられれば、年上男性であっても「かわいい」という言葉を素直に受け入れられるのです。

あなたの周りにも、意外な「かわいい」の受け入れ方をする年上男性はいませんか?

「かわいい」が心に刺さるとき

一方で、「かわいい」という言葉が否定的に受け取られるケースも少なくありません。

私の友人の佐藤さんは、30代後半の男性です。彼は真面目で責任感が強く、仕事でも高い評価を受けています。ある日、彼が取引先との打ち合わせで緊張のあまり言葉に詰まってしまった時のこと。一緒に参加していた後輩の女性が「佐藤さん、緊張するとかわいいですね」と言ったそうです。

その日の帰り道、佐藤さんは私に電話をかけてきました。「今日さ、後輩に『かわいい』って言われたんだよ。なんか、心にザクッと刺さった感じがして…」と、彼は普段見せない弱気な声で話しました。

「どうして気になったの?」と尋ねると、彼はこう答えました。「俺、その子に少し好意を持ってたんだ。でも『かわいい』って言われると、もう恋愛対象として見られてないのかなって…男としては認められてないんじゃないかって」

佐藤さんのケースは、恋愛感情が絡むと「かわいい」の受け取り方が特に複雑になることを示しています。特に、自分を「頼りになる存在」「男らしい人」として見てほしいと思っている男性にとって、「かわいい」という言葉は自己イメージとのギャップを生み出してしまうことがあるのです。

他にも、40代の上司が20代の部下から「かわいい」と言われて、「年齢をからかわれている」と感じてしまったケースや、真剣な提案をしている最中に「そういう熱心な姿がかわいい」と言われて、「内容を真剣に聞いてもらえていない」と傷ついたケースなど、様々な例があります。

これらの事例から、「かわいい」が否定的に受け取られる主な理由として、以下のような点が考えられます。

  1. 自己イメージとの不一致: 「頼りになる」「男らしい」「威厳がある」といった自己イメージを持つ男性にとって、「かわいい」は期待されるイメージとかけ離れていると感じられる。

  2. 恋愛感情の有無: 恋愛対象として見られたいと思っている相手から「かわいい」と言われると、「恋愛対象外」というメッセージに聞こえてしまう。

  3. 真剣さの否定: 真剣に取り組んでいることに対して「かわいい」と言われると、その内容や努力が軽視されていると感じる。

  4. 年齢や立場の問題: 特に年下から年上に対して「かわいい」と言うと、年齢差を意識させてしまい、相手を不快にさせることがある。

では、これらの問題を避けるにはどうすればいいのでしょうか?次のセクションで考えてみましょう。

「かわいい」を使うときの心得

年上男性に「かわいい」と言うべきかどうか、そしてどのように言えば良いのか。絶対的な答えはありませんが、私の経験から、いくつかの心得をお伝えします。

1. 関係性を見極める

何よりも大切なのは、相手との関係性の把握です。既に信頼関係ができているか、どのような距離感で接しているか、普段からどんな会話をしているかをしっかりと振り返ってみましょう。

私の場合、中村さんには「かわいい」と言えましたが、それは日頃から誠実に仕事に取り組み、ある程度の信頼関係があったからこそ。全く関係が構築されていない相手には、まずは他の言葉で距離を縮めていくことが大切です。

2. 相手の性格を理解する

自己イメージに敏感な人なのか、ユーモアのセンスがある人なのか、自分をどう見せたいと思っているのか。相手の性格や価値観を理解することも重要です。

例えば、いつも冗談を言って周囲を笑わせるタイプの人なら、「かわいい」と言われても比較的受け入れやすいでしょう。一方、常に厳格で威厳を保とうとするタイプの人には、別の表現を選んだ方が無難かもしれません。

私の知人の山田さんは、常に自虐的なジョークを言う明るい性格の50代男性です。彼に「山田さん、そういうところがかわいいですよね」と言うと、「えっ、俺、かわいい?まだまだいけるってことか!」と喜んでくれました。自分自身を真面目に捉えすぎない人には、「かわいい」という言葉も素直に受け入れられるようです。

3. 言うタイミングと場所を選ぶ

どんな状況で「かわいい」と言うかも重要です。真剣な会議中や緊張した場面では避け、リラックスした雰囲気の中で使うようにしましょう。

私は一度、大事なプレゼンの直前に上司に「緊張してる姿、かわいいですね」と言ってしまい、明らかに不機嫌になってしまった経験があります。後で考えると、彼は集中したい時だったのに、私の一言で余計な意識をしてしまったのでしょう。タイミングを誤ると、せっかくの「かわいい」も逆効果になってしまいます。

4. 「かわいい」の文脈を明確にする

単に「かわいい」と言うのではなく、何が「かわいい」と思ったのかを具体的に伝えることで、誤解を防げることがあります。

「猫を見る時の表情がかわいいです」 「熱心に取り組む姿がかわいいと思いました」 「そういう意外な一面を見せてくれるところが、かわいいなと思います」

このように具体的に伝えることで、「あなた全体を子ども扱いしている」という誤解を避けることができます。

5. バランスを取る

特に恋愛感情がある場合は、「かわいい」だけでなく、「頼りになる」「かっこいい」「尊敬している」など、相手の男性性を肯定する言葉もバランスよく使うことが大切です。

私の友人が好きな人に対して、「かわいい面もあるけど、いざという時の頼りなさは本当に安心します」と伝えたところ、相手はとても喜んでくれたそうです。「かわいい」だけでは物足りなくても、他の言葉とセットで使うことで、より立体的な評価として伝わるのです。

「かわいい」の先にある関係性

ここまで「かわいい」という言葉の影響について考えてきましたが、最終的に大切なのは、その先にどんな関係性を築きたいかではないでしょうか。

私にとって忘れられないのは、以前の職場の60代の大先輩との経験です。彼は長年第一線で活躍してきた方で、私は彼の仕事に対する姿勢をとても尊敬していました。ある日、彼が若手社員の発表を真剣に聞き、的確なアドバイスをしている姿を見て、思わず「先輩、後輩思いなところが本当にかわいらしいです」と言ってしまいました。

一瞬、周囲がざわつき、私も「しまった」と思いましたが、彼は少し照れた表情を見せた後、「君にそう言われると嬉しいな。でも、かわいいじゃなくて、優しいと言ってくれればもっと嬉しかったかな」と笑いながら言ってくれました。

この経験から、私は言葉選びの重要性だけでなく、言葉の奥にある「思い」を伝えることの大切さを学びました。「かわいい」と言いたかったのは、彼の人間性の豊かさを認めたかったから。その思いが、多少言葉選びが不適切でも、しっかりと伝わったのだと思います。

年上男性との関係性を深めたいなら、「かわいい」という言葉にこだわるよりも、相手のどんな部分を評価しているのか、どんな関係性を築きたいのかを考え、それを素直に伝えることが大切なのかもしれません。

男性側の「かわいい」の受け止め方

ここまで主に「かわいい」と言う側の視点で考えてきましたが、言われる側の年上男性はどのように受け止めているのでしょうか。

私の30代後半の男性の友人に聞いてみました。

「正直、最初に『かわいい』って言われたときは戸惑ったよ。でも、言ってくれた子が純粋に僕の意外な一面を見つけて喜んでくれてるんだなって思えたら、なんだか新鮮で嬉しかったな。いつも頑張ってるのに、それが当たり前になっちゃってるから、新しい見方をしてもらえるのは面白いよ」

また、50代の上司はこう話してくれました。

「年を取ると、周りからの見られ方が固定化されてしまうんだよ。『頼りになる上司』『厳しい先輩』とか。でも人間、そんな単純じゃない。いろんな面があるのに、それを見てもらえる機会が減っていく。だから若い子から『かわいい』って言われると、『ああ、まだ他の面も見てもらえてるんだな』って、ちょっとホッとするんだ」

これらの声を聞いて、私は改めて「かわいい」という言葉の持つ可能性を感じました。それは、固定化された役割や見られ方から解放される瞬間を作り出す言葉なのかもしれません。

もちろん、全ての男性がそう感じるわけではありません。ある40代の男性は「正直、女性から『かわいい』と言われるのは複雑。男として認められていない気がして」と言いますし、別の50代の方は「同世代から言われるならまだしも、若い子から言われると『おじさん扱い』されてる気がする」と話します。

これらの多様な反応からわかるのは、「かわいい」という言葉の受け止め方は、その人の自己イメージや価値観、そして言われる文脈によって大きく変わるということ。一概に「良い」「悪い」と言えるものではないのです。

「かわいい」の代わりになる表現

「かわいい」と言いたい気持ちはあるけれど、相手を傷つけたくない。そんなときは、別の表現を使うことも一つの方法です。

「素敵な一面を見ました」 「意外な才能に驚きました」 「そういうところが魅力的です」 「人間らしさを感じて親近感が湧きます」

これらの表現は、「かわいい」が持つ「新たな一面への気づき」「親しみ」「肯定」といった要素を含みつつも、より大人同士のコミュニケーションとして受け取られやすいものです。

私の経験では、特に「魅力的」という言葉は、年上男性に対して使いやすく、しかも相手に喜ばれることが多いです。「かわいい」よりも大人の関係性を感じさせる言葉選びができると、コミュニケーションの幅も広がります。

とはいえ、時には「かわいい」という言葉でしか表現できない瞬間もあるでしょう。そんなときは、前述した心得を意識しながら、相手との関係性を大切にして言葉を選んでいきたいものです。

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