妊娠がわかったとき、あなたならどうしますか。喜びと同時に、不安や戸惑いが押し寄せてくることもあるでしょう。特に結婚前の妊娠となれば、「この順番でいいのだろうか」「周りに何と言われるだろう」と心が揺れ動くのは当然のことです。
実は今、妊娠をきっかけに結婚するカップルは決して少なくありません。むしろ、全国平均で見ると約2割のカップルがこの道を選んでいるのです。驚くことに、20代前半では半数を超えるという統計もあります。つまり、あなたが感じている不安や迷いは、多くの人が経験してきた感情なのです。
昔は「デキ婚」という言葉に否定的なニュアンスが強く、周囲からの視線も厳しいものでした。でも今は「授かり婚」「おめでた婚」といった前向きな呼び方が定着し、価値観も大きく変わってきています。結婚と出産という二つの幸せが同時にやってくる、そんな風に捉える人が増えているんですね。
とはいえ、すべての人が理解を示してくれるわけではありません。特に年配の方の中には、「順番が違う」という古い考え方を持っている人もいます。親戚の集まりで嫌味を言われたり、職場で微妙な空気を感じたりすることもあるでしょう。そんなとき大切なのは、周りの声に振り回されすぎないことです。
結婚のかたちは人それぞれ。妊娠が先でも、結婚が先でも、二人が本当に幸せならそれでいいじゃないですか。他人の目を気にして自分たちの人生を台無しにするなんて、もったいないと思いませんか。
妊娠が結婚のきっかけになるのは、実はとても自然なことです。恋愛関係にあった二人が、子どもという新しい命を授かることで、将来を真剣に考え始める。それまで漠然としていた結婚への思いが、一気に具体的になっていくんです。
ただ、交際期間が短いカップルの場合は注意が必要かもしれません。お互いのことを深く知る前に家族になってしまうと、後々「こんな人だと思わなかった」というギャップに悩まされることもあります。普段の生活習慣、お金の使い方、価値観の違いなど、結婚してから初めて見えてくることは山ほどあります。
でも、これは授かり婚に限った話ではありません。普通に結婚したカップルだって、同じような壁にぶつかるものです。要は、二人がどれだけ本気で向き合い、コミュニケーションを大切にできるか。そこが結婚生活を左右する最大のポイントなんですよね。
妊娠してから結婚する流れが「OK」か「NG」かなんて、誰にも決められません。それは二人の関係性、覚悟、そして愛情の深さによって変わってくるものです。
さて、授かり婚を選んだ人たちは、実際にどんな経験をしているのでしょうか。良いことばかりではないけれど、悪いことばかりでもない。リアルな声を聞いてみましょう。
まず、大きなメリットとして挙げられるのが、結婚までのスピード感です。妊娠がわかった瞬間、出産までのカウントダウンが始まります。約10ヶ月という期限があるからこそ、「いつか結婚しよう」と先延ばしにしていたカップルも、一気に動き出すことができるんです。
ある女性は「彼と5年も付き合っていたのに、なかなかプロポーズしてくれなくて。でも妊娠がわかったら、1ヶ月後には入籍していました」と振り返ります。タイミングって大事ですよね。人生には、背中を押してくれる出来事が必要なときもあります。
結婚と出産が同時に訪れるということは、幸せも二倍になるということ。新しい家族ができて、すぐに赤ちゃんが生まれてくる。このダブルの喜びを一度に味わえるのは、授かり婚ならではの特権かもしれません。
子どもが生まれる過程で、夫婦の絆が深まったという声も多く聞かれます。一緒に妊婦健診に行ったり、出産準備をしたり、エコー写真を見ながら「似てるかな」なんて話したり。そういう時間を共有することで、本当の家族になっていく実感が湧いてくるんですね。
また、若い年齢で子育てをスタートできるのも、意外と大きなメリットです。体力があるうちに出産・育児ができれば、体への負担も少なくて済みます。夜泣きで眠れない日が続いても、若さで乗り切れる部分はあるでしょう。
逆に30代以上の方にとっては、不妊の心配が減るという安心感もあります。「いつか子どもが欲しいと思っていたけど、できるかどうか不安だった」という人にとって、妊娠は素直に喜べる出来事になります。
そして何より、結婚に対して現実的なきっかけをもらえるということ。恋愛感情だけでは結婚に踏み切れなかったカップルが、子どもという存在によって決断できる。結果的に「あのとき妊娠していなかったら、今の幸せはなかった」と感じている人も少なくありません。
ただし、良いことばかりではないのも事実です。授かり婚には、覚悟しなければならないデメリットも存在します。
最も多く聞かれるのが、「新婚生活がほとんどない」という声です。結婚したら、すぐに子育てモードに突入します。二人きりでゆっくりデートを楽しんだり、新婚旅行で海外に行ったり、そんな甘い時間はほぼありません。
ある30代の男性は「妻と二人だけの時間をもっと持ちたかった。子どもが生まれてからは、すべてが子ども中心になってしまって」と寂しそうに話していました。夫婦としての関係を深める時間がないまま親になってしまう、これは想像以上に大変なことなのかもしれません。
経済的な負担も、かなり重くのしかかってきます。結婚式の費用、新居の準備、出産費用、育児用品…と、短期間でお金が飛んでいきます。計画的に貯金していたわけではないカップルにとって、この経済的プレッシャーは相当なものです。
「結婚指輪も買えなかった」「結婚式は諦めた」「新婚旅行なんて夢のまた夢」という話もよく耳にします。お金があれば解決できる問題ではあるのですが、それが準備できていない状態でスタートするのは、やはり厳しいですよね。
妊娠中の女性にとっては、体調の変化も大きな負担です。つわりで苦しんでいる中で結婚準備を進めなければならない、お腹が大きくなってきて式場探しや新居への引っ越しが大変…そんな現実と向き合うことになります。
周囲の目や反対意見に傷つくこともあります。特に親世代からの批判は、想像以上に心に響きます。「うちの息子が騙された」「娘が恥ずかしい」なんて言われたら、どんなに強い人でも落ち込んでしまいますよね。
親戚の集まりで「おめでた婚だって」とヒソヒソ言われたり、友人からのマウンティングに傷ついたり。子どもへの心ない言葉を聞いて、怒りと悲しみで胸がいっぱいになることもあるでしょう。
そして最も危険なのが、覚悟が足りないまま勢いで結婚してしまうケースです。「とりあえず責任を取らなきゃ」という義務感だけで結婚すると、後々大きな問題が浮上します。相手の本性が見えてきたとき、「こんな人だと思わなかった」と後悔する人もいます。
特に女性の場合、妊娠・出産・育児という肉体的・精神的負担が大きくのしかかります。夫が協力的でなかったり、責任感が薄かったりすると、すべてが女性一人の肩にかかってしまう。そんな不公平な状況に耐えられず、離婚を選ぶカップルも存在します。
では、実際に授かり婚を経験した人たちは、今どう感じているのでしょうか。さまざまな立場の人の声を聞いてみましょう。
25歳で妊娠・結婚した女性の話です。「貯金なんて全然なくて、最初は本当に不安でした。でも夫が必死に働いてくれて、私も育児と仕事を両立させて。子どもの笑顔を見ていると、苦労も報われるんです。もう結婚して25年になりますが、今でも幸せだと思っています」
彼女の話からは、覚悟と努力の大切さが伝わってきます。最初は大変でも、二人で協力していけば乗り越えられる。そんな希望を感じさせてくれますね。
別の女性は、「正直、妊娠していなければ結婚していなかったと思います。でも今は、彼が最高のパートナーだと心から思えます。子どもが私たちの絆を強くしてくれました」と笑顔で話していました。
妊娠がなければ出会うことのなかった幸せもある。そう考えると、人生の不思議さを感じずにはいられません。
一方で、複雑な心境を抱えている人もいます。再婚に消極的だったパートナーに、「偶然の妊娠」という形でアプローチした女性は「今は本当に幸せです。でも時々、もっと正直に話し合うべきだったかなって思うんです」と明かしていました。
結果的に幸せになっていても、心のどこかに引っかかりがある。そんな微妙な感情を抱えながら生きている人もいるんですね。
苦労した経験を持つ人の声も聞いてみましょう。若い頃に授かり婚をした男性は「友達が遊んでいる中、自分だけ子育てでストレスが溜まりました。自由がない生活に耐えられなくて、結局離婚してしまいました」と振り返ります。
でも彼は続けます。「ただ、子どもを育て上げられたことは誇りに思っています。あの経験があったから、今の自分がいる。後悔はしていません」
失敗から学び、成長できた。そんな前向きな姿勢が印象的です。
驚くべき体験をした女性もいます。大晦日に避妊に失敗し、なんと双子を妊娠。入院生活を送りながら結婚式を挙げたそうです。「授かり婚というレッテルに罪悪感を感じていました。でも家族みんなが祝福してくれて、今では笑い話になっています」
困難な状況でも、周りのサポートと自分たちの前向きさがあれば、乗り越えられるんですね。
周囲の目に苦しんだ経験を持つ人もいます。親戚から「順番が逆だ」と反対され、結婚の挨拶が謝罪のようになってしまった女性。「子どもに向けられる悪意が許せませんでした。でも夫と二人で支え合って、何とか乗り越えました」
子どもは何も悪くないのに、大人の偏見に巻き込まれてしまう。そんな理不尽な状況と戦った人たちもいるのです。
これだけいろいろな話を聞くと、授かり婚が「不幸せの代名詞」なんかじゃないことがわかりますよね。実際、調査によると9割以上の人が「後悔していない」と答えているそうです。
さらに興味深いのが、離婚率のデータです。一般的な結婚の離婚率が約35%なのに対し、授かり婚の離婚率は16%前後だという統計もあります。つまり、授かり婚のほうが離婚率が低いということになります。
なぜでしょうか。おそらく、子どもの存在が大きいのだと思います。「この子のために頑張ろう」「簡単に離婚はできない」という思いが、夫婦を踏みとどまらせる。もちろん、それが良いのか悪いのかは一概には言えませんが、子どもが家族の絆を強くしているのは確かでしょう。
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