「消防士の彼氏って、やめといたほうがいいよ」
友達にそう言われたとき、私の心臓は嫌な音を立てて鼓動しました。だって、もう好きになっちゃってたんですもの。彼の優しい笑顔も、困っている人を助けたいという真っ直ぐな目も、全部好きだったのに。
なぜ「消防士の彼氏はやめとけ」と言われるのか
最初に言っておきます。「やめとけ」と言う人たちは、決してあなたの恋を邪魔したいわけじゃありません。むしろ、あなたのことを心配しているからこそ、そう言うんです。
私の母も最初は反対でした。「あんた、寂しがり屋なのに大丈夫なの?」って。その言葉が、今になってみるとどれだけ的を射ていたか、よくわかります。
私が実際に経験した「やめとけ」の理由7つ
1. 24時間勤務という現実─想像以上に会えない
「明日から24時間勤務だから」
彼からそう言われたとき、私は正直ピンときませんでした。24時間働くって、本当に24時間なの?まさかね、休憩とかあるんでしょ?って思ってたんです。
甘かった。本当に甘かった。
付き合って最初の1ヶ月、私は毎日のように彼に連絡していました。「おはよう」「お昼何食べた?」「今日どう?」って。でも、返信が来るのは次の日の朝。しかも「ごめん、寝てた」の一言だけ。
24時間勤務というのは、朝8時半に出勤して、次の日の朝8時半まで消防署にいるということです。その間、火事や救急の出動があれば飛んでいくし、ない時は訓練をしたり、体力づくりをしたり。仮眠はとれても、それはあくまで「仮眠」。いつ出動要請が来るかわからない緊張感の中での睡眠なんです。
ある日の失敗談: 彼の誕生日に、サプライズでケーキを用意して家で待っていたことがあります。「今日は非番だから大丈夫」って聞いていたのに、連絡が来たのは夜の11時。「ごめん、昨日の勤務で大規模火災があって、まだ署にいる。明日も残業になりそう」
作ったケーキは、一人で食べました。涙でしょっぱくなったケーキの味、今でも忘れられません。
2. デートの予定は「仮予定」だと思え
これ、本当に辛いんです。
普通のカップルなら「来週の土曜日、映画見に行こう」って約束したら、よほどのことがない限り実現しますよね。でも、消防士の彼氏との予定は、常に「出動がなければ」という但し書きがつくんです。
私たちが付き合って半年の記念日、ちょっと高めのレストランを予約していました。彼の非番日に合わせて、私も仕事を早退する許可をもらって。新しいワンピースも買って、美容院にも行って。
でも、その日の朝。「本当にごめん。昨日の夜中に大きな火事があって、今日も調査で出られそうにない」
わかってる。仕方ないって、頭ではわかってる。でも、心が追いつかないんです。楽しみにしていた分、落胆も大きい。そして何より辛いのが、彼を責められないこと。だって、彼は人の命を救うために働いているんだから。
同じ境遇の友達の話: 消防士の彼氏がいる友達は、もっと過酷でした。プロポーズの予定を立てていた日、彼は大規模な山火事の応援で他県に派遣されたそうです。結局、そのプロポーズは2ヶ月延期。「待つのも愛情のうちだと思うようにした」と笑っていましたが、その目は笑っていませんでした。
3. 連絡が取れない時間の長さと、募る不安
勤務中は基本的に私用の電話はできません。LINEも見られません。
最初は「まあ、1日くらい大丈夫でしょ」って思ってました。でもね、人間って弱いんです。特に女性は。
夜中にふと目が覚めて、彼の無事を確認したくなる。でも連絡は取れない。ニュースで火事のニュースを見るたびに「もしかして彼が出動してる?」って心配になる。そして、その不安を誰にも言えない寂しさ。
私の失敗談: ある時、どうしても不安で我慢できなくて、勤務中の彼に何度も電話してしまいました。もちろん出ません。それでもかけ続けて、結局15回コール。
後で彼から言われました。「心配してくれるのは嬉しいけど、勤務中は本当に出られないんだ。何かあったのかと思って、休憩時間に慌てて折り返したよ」
彼の困った顔を見て、自分の器の小ささを痛感しました。信頼して待つ。それができない自分が情けなくて、一人で泣きました。
4. 命の危険と隣り合わせという恐怖
これは、付き合う前には想像もしていませんでした。
彼が火災現場に入る。それは、死と隣り合わせということ。爆発するかもしれない、建物が崩れるかもしれない、有毒ガスで倒れるかもしれない。そんな危険な中に、愛する人が入っていくんです。
ある日、彼から電話がありました。いつもより声が低くて、疲れているのがわかる声でした。
「今日、ちょっと危なかった」
聞けば、建物火災で進入中、突然爆発があって、すぐそばにいた先輩が軽傷を負ったとのこと。彼自身は無事だったけれど、あと数メートルずれていたら…。
その夜、私は眠れませんでした。彼を抱きしめながら、もし失ったらと考えるだけで涙が止まらなかった。「こんなに怖いなら、いっそ別れた方が楽なんじゃないか」そんな弱音さえ、頭をよぎりました。
5. 体育会系の文化─飲み会と人間関係
消防の世界は、想像以上に体育会系です。
上下関係が厳しく、飲み会も多い。非番の日なのに「署の飲み会」と言われて、デートがキャンセルになったこともあります。
最初は「え、断れないの?」って思いました。でも、彼にとって消防署の仲間は、命を預け合う家族みたいなもの。そこでの人間関係を大切にしないと、仕事に支障が出る。
転機になった出来事: ある時、私も消防署の家族会に招待されました。そこで見たのは、お互いを思いやり、支え合う強い絆。「あいつは俺が守る」「お前の家族も俺たちが守る」そんな空気感。
ああ、彼はこういう仲間と一緒に働いているんだ。そう思ったら、飲み会も悪くないかもって思えるようになりました。完全に理解できたわけじゃないけど、少なくとも「嫌だ」とは言えなくなった。
6. 思ったより高くない給料と将来の不安
「消防士って公務員だし、給料いいんでしょ?」
友達にそう言われますが、実際はそうでもないんです。もちろん、安定はしています。でも、大企業のサラリーマンと比べると、決して高収入ではありません。
彼は20代後半で、手取りで25万円前後。そこから貯金もしなきゃいけないし、消防の装備品(自腹で買うものもある)も必要。結婚して子どもができたら、正直カツカツかもしれません。
それでも私が彼との将来を考えられるのは、お金だけじゃない価値があると信じているから。でも、現実的に考えると不安がないわけじゃない。
7. 転勤の可能性─生活の見通しが立てにくい
これは地域によりますが、県の消防だと転勤があります。
彼も「いずれは異動があるかも」と言っています。もし結婚したら、私も仕事を辞めてついていくのか。子どもの学校はどうするのか。そんな将来のことを考えると、不安で胸が苦しくなります。
それでも私が彼と別れなかった理由
ここまで読んで、「やっぱりやめとこう」って思いましたか?
でもね、ちょっと待ってください。私がここまで書いたのは、あなたに諦めてほしいからじゃないんです。むしろ、覚悟を持って幸せになってほしいから。
正直、別れようと思った瞬間
付き合って1年目のクリスマス。彼は年末の特別警戒で勤務でした。
街はカップルだらけ。イルミネーションが輝いて、幸せそうな笑顔があふれている。私は一人、家でNetflixを見ていました。
「なんで私だけ」って思いました。友達のインスタには彼氏とのラブラブな写真。私には、勤務中の彼から送られてきた「ごめんね」のLINE一通だけ。
その時、本気で思ったんです。「こんな恋愛、もう嫌だ」って。
でも、翌朝。勤務を終えた彼が、私の家の前で待っていました。
「昨日はごめん。でも、これだけは渡したくて」
差し出されたのは、小さな箱。中には、シンプルだけど素敵なネックレスが入っていました。
「勤務の合間に、ネットで見つけたんだ。君に似合うと思って」
寝てないはずなのに、満面の笑みで照れくさそうにしている彼。その姿を見た瞬間、涙が溢れました。
ああ、この人は忙しい中でも、私のことを考えてくれていたんだ。
成功事例:私たちが築いた関係性
そこから、私たちは変わりました。いえ、正確には「私が」変わりました。
彼のスケジュールに合わせるんじゃなく、私は私の時間を充実させることにしたんです。一人の時間を楽しむ。趣味を見つける。友達と遊ぶ。仕事に集中する。
そうしたら、不思議なことに彼との時間がもっと濃く、特別なものになっていきました。会えない時間が、会えた時の喜びを何倍にもしてくれる。
今では、彼の24時間勤務の日は「自分の時間」として楽しんでいます。ヨガに行ったり、長風呂したり、読書したり。彼が帰ってきたら、お互いの過ごした時間について話す。それが、私たちのルーティンになりました。
消防士の彼氏と上手く付き合う5つの秘訣
3年間の経験から、私なりの「幸せになる方法」を見つけました。
1. 一人の時間を「待つ時間」から「自分のための時間」に変える
これ、本当に大事。待つだけだと辛いけど、自分磨きの時間だと思えば楽しくなります。私は彼が勤務の日は、資格の勉強をしたり、料理の腕を上げたり。そうすると、成長した自分を彼に見せるのが楽しみになるんです。
2. 連絡のルールを二人で決める
私たちは「勤務中は基本連絡なし。でも、休憩時間に1回だけスタンプを送る」というルールにしました。そのハートマーク一つで「無事だよ」って伝わる。それだけで安心できるようになりました。
3. 会えた時間を最高に大切にする
回数じゃない、質なんです。月に2回しかデートできなくても、その2回を思いっきり楽しむ。何気ない散歩でも、一緒にいられることに感謝する。そうすると、毎回のデートが記念日みたいに特別になります。
4. 彼の仕事への理解を深める
消防署の一般公開イベントに行ったり、彼から仕事の話を聞いたり。彼がどんな思いで働いているかを知ると、応援したくなります。「お疲れさま」の一言に、より深い意味が込められるようになりました。
5. 不安は正直に伝える(でもタイミングを選ぶ)
我慢しすぎもよくない。でも、疲れて帰ってきた時に愚痴るのも違う。私たちは「月に1回、お互いの気持ちを話す日」を作りました。そこで本音を言い合う。喧嘩になることもあるけど、それで関係が深まりました。
消防士の彼氏の本当の魅力
ここまで大変な話ばかりしてきましたが、消防士の彼氏には、他の職業にはない特別な魅力があります。
正義感の強さと優しさ
彼が人を助けることに生きがいを感じている姿を見ると、誇らしくなります。道で倒れている人がいたら、迷わず助ける。困っている人を見かけたら、声をかける。そんな彼の優しさに、何度惚れ直したかわかりません。
鍛えられた身体と頼もしさ
日々のトレーニングで鍛えられた身体は、やっぱり魅力的です(笑)。重い荷物も軽々持ってくれるし、守られている安心感があります。
休みの多さ(意外な盲点)
24時間勤務ということは、非番と公休を合わせると、月に10日以上は完全にオフなんです。普通のサラリーマンより休みが多い。その時は本当に一緒にいられる。旅行にも行けます。
あなたは消防士の彼女に向いている?
最後に、正直な話をします。
消防士の彼氏と幸せになれる人、なれない人、確実にいます。
向いている人:
- 一人の時間を楽しめる人
- 彼の仕事を心から応援できる人
- 計画通りにいかなくても笑える人
- 精神的に自立している人
- 長い目で関係を築ける人
向いていない人:
- 毎日連絡が欲しい人
- 寂しがり屋で一人が苦手な人
- 予定が変わるとイライラする人
- 彼氏中心の生活をしたい人
私自身、最初は「向いていない人」でした。でも、彼のことが本当に好きだったから、変わろうと思った。そして、変われた。
あなたはどうですか?
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