ふとした瞬間に気づいてしまうことがあります。あの人のスマホに映る女性の写真、SNSに上がる二人で撮ったらしい風景、友人からの何気ない一言。「え、彼女いるの?」——その事実を知った瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられるような感覚に襲われた経験、あなたにもあるのではないでしょうか。
私自身、二十代の頃に似たような経験をしたことがあります。職場で毎日顔を合わせる先輩のことがだんだん気になり始めて、ある日ふとした会話の中で「彼女と週末どこ行こうかな」という言葉を耳にしたとき、まるで足元の地面が崩れ落ちるような感覚を味わいました。あのときの衝撃は、今でも鮮明に覚えています。
好きな人に彼女がいると知ったとき、私たちの心は本当に複雑に揺れ動きます。すぐに諦められるほど簡単な気持ちじゃない。でも、このまま想い続けていいのかもわからない。そんな宙ぶらりんの状態で、毎日がなんだかモヤモヤしてしまう。そういう経験をしている方は、実はとても多いのです。
この記事では、そんな切ない恋の悩みについて、いろんな角度から一緒に考えていきたいと思います。諦めるべきなのか、それとも待つという選択肢もあるのか。そして、もし相手の男性が思わせぶりな態度をとってきたとき、その本心はどこにあるのか。自分の気持ちと向き合いながら、後悔しない選択ができるよう、じっくりと掘り下げていきましょう。
多くの人が選ぶ「諦める」という決断
実際のところ、好きな人に彼女がいると分かったとき、どれくらいの人が諦めるという選択をするのでしょうか。様々なアンケート調査を見てみると、およそ七割から八割の人が「諦める」と回答しているそうです。この数字を見て、あなたはどう感じましたか?
意外と多いと思った方もいれば、逆に二割から三割もの人が「諦めない」と答えていることに驚いた方もいるかもしれません。どちらの選択が正しいとか間違っているとか、そういう単純な話ではないのですが、それぞれの選択の背景にある心理を知ることで、自分自身の気持ちを整理するヒントになるのではないかと思います。
諦めるという決断をする人たちの理由を聞いてみると、いくつかの共通したパターンが見えてきます。
まず最も多いのが、「誰かの幸せを壊してまで手に入れたくない」という考え方です。これは倫理観や道徳心からくるもので、「略奪愛」という言葉に対する強い抵抗感とも言えます。たとえどんなに好きでも、今現在誰かと幸せに付き合っている人を奪うような行為は、人としてどうなのか。そう考えると、自然と身を引くという選択になるのでしょう。
友人の話を聞いていても、「もし自分が彼女の立場だったら」と想像したときに、とても自分にはできないと感じる人が多いようです。恋は盲目とよく言いますが、どんなに好きな気持ちが強くても、自分の中にある良心や倫理観は簡単には消せないもの。むしろ、そういう部分を大切にできる人は、きっと素敵な恋愛ができる人なのだと私は思います。
次に多い理由として挙げられるのが、「たとえ略奪に成功したとしても、その後が不安」というもの。これは一種のブーメラン効果と呼ばれることもあります。考えてみてください。もし彼女がいるのに他の女性になびいてしまうような男性だったとしたら、仮にあなたと付き合い始めたとしても、また同じことを繰り返すのではないか。そんな不安がよぎりませんか?
「奪える男は奪われる男」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。これは少し厳しい言い方かもしれませんが、一理あるとも言えます。人を裏切ることに抵抗がない人は、何度でも同じことをする可能性がある。そう考えると、たとえ今は苦しくても、そういう相手との恋愛は避けた方が自分のためかもしれません。
また、「自分に自信がない」という理由で諦める人もいます。すでに彼女という存在がいる中で、その人に勝てるほどの魅力が自分にあるのか。そう考えたときに、どうしても自信が持てなくて身を引いてしまう。これは自己評価の問題でもありますが、無理に自分を追い込む必要はないと私は思います。恋愛において、自分を過度に卑下する必要はありませんが、かといって無理に戦いを挑む必要もないのです。
そして、とても美しい理由だと感じるのが、「純粋に彼の幸せを願っている」というもの。好きな人には幸せでいてほしい、その幸せの相手が今の彼女なら邪魔をしたくない——そんな献身的な愛情から諦めるという選択をする人もいます。これは見返りを求めない愛の形とも言えるかもしれません。切ないけれど、どこか清々しさも感じさせる選択です。
諦めないという選択をする人たちの心理
一方で、約二割から三割の人は「諦めない」という選択をしています。では、彼女がいると分かった上で、それでも諦めないと決める人たちは、どのような心理なのでしょうか。
まず断っておきたいのは、「諦めない」イコール「略奪する」ではないということです。多くの人が選んでいるのは、「タイミングを待つ」という方法。つまり、今の彼女との関係に介入するのではなく、二人が自然に別れるのを待つというスタンスです。
その間は友人として関係を続けながら、少しずつ距離を縮めていく。そして、もし彼が別れたときには、そのタイミングでアプローチする。これは略奪とは違う、ある意味では誠実なアプローチとも言えるかもしれません。ただし、この方法には大きなリスクがあります。それは「待っている間に、自分の貴重な時間が過ぎていく」ということ。いつ別れるかわからない、もしかしたら結婚するかもしれない——そんな不確定な未来のために、自分の青春を費やしていいのか。そこは冷静に考える必要があります。
また、「結婚していない限りはチャンスがある」と考える人も少数ながら存在します。この考え方に対しては賛否両論あるでしょうが、確かに交際中と婚姻関係では法的にも社会的にも意味合いが異なります。ただ、これを免罪符にして積極的にアプローチするのは、やはり問題があると言わざるを得ません。
興味深いのは、「彼の状況を見て判断する」という人たちの存在です。特に、彼自身が「彼女とうまくいっていない」「最近ケンカばかりで疲れている」といった不満や悩みを打ち明けてきた場合、そこに可能性を見出す人もいます。確かに、関係が冷え切っているカップルはいつ別れてもおかしくないわけで、そういう状況であればチャンスがあるかもしれないと考えるのは自然なことかもしれません。
ただし、ここで一つ注意してほしいことがあります。彼女への不満を別の女性に話す男性は、本当に信頼できる相手なのでしょうか。今の彼女に対する愚痴を他の女性に言うということは、将来あなたと付き合った場合にも、同じことをする可能性があるということです。そういう視点も持っておく必要があります。
こういう状況なら、諦めた方がいいかもしれない
ここまで、諦める派と諦めない派、それぞれの心理について見てきました。では、具体的にどのような状況なら諦めた方が賢明なのでしょうか。いくつかのパターンを挙げてみたいと思います。
まず、最も分かりやすいのが「ラブラブ絶頂期」です。付き合い始めたばかりで、彼のSNSを見ると幸せそうな投稿が並んでいる。会話の端々に彼女への愛情が感じられる。そんな状態のときに割って入ろうとしても、成功する可能性は極めて低いと言わざるを得ません。
交際初期というのは、お互いに夢中になっている時期です。多少の欠点も魅力に見えてしまうほど、相手にのめり込んでいる。そんな状態の二人の間に入り込むのは、現実的に見てほぼ不可能でしょう。つらいですが、この場合は時間を置くしかありません。
次に、「結婚を視野に入れた交際」をしている場合。すでに婚約している、あるいは具体的に結婚の話が出ている関係性であれば、これはもう諦めるしかないと考えた方がいいでしょう。結婚を前提にした交際というのは、単なる恋人関係とは重みが違います。家族への紹介が済んでいたり、結婚式の準備を始めていたりする場合はなおさらです。
そして、これが意外と見落とされがちなのですが、「彼があなたに待っててとは言わない」場合も、諦めるサインかもしれません。もし彼が本当にあなたのことを特別に思っているなら、何らかの形でその意思を示すはずです。「今は彼女がいるけど、いつか君と」とか、「もう少し時間をくれたら」とか。そういった言葉が一切ないということは、彼にとってあなたは特別な存在ではない可能性が高いのです。
もちろん、彼が奥手で言い出せないだけという可能性もゼロではありません。でも、本当に大切に思っている相手には、人は何とかして気持ちを伝えようとするもの。それがない時点で、彼の中でのあなたの優先順位は、残念ながら高くないと考えた方が現実的です。
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